こないだ九州かどっかの山奥で起きた話なんだけどさ、突然戦車が現れて、民家荒らしたり畑荒らしたりコメント欄荒らしたり、いろんなトコ荒らしちゃってさ。結局地元の猟友会に麻酔銃で眠らされて捕獲、なんて事件あったじゃないすか。最近多いよね。戦車。今世紀特に多い。やっぱ長年戦車扱ってる俺としてはね、これちょっと寂しいよね。みんなもっと戦車のことわかってあげて欲しいよね。だから、今日はおまえらにいい戦車と悪い戦車の見分け方を教えちゃおっかなって。


 まずね、第一にやっぱ「活き」。当たり前みたいな話だけどさ、最近活きの良くない戦車も多いからね。キャタピラに光沢がないとかさ、砲身がなんかぬめってるとかさ、そういうのはやっぱダメ。キャタピラだって、爪がしっかり地面に食い込まないやつも多いからね最近。空回りなんかしちゃってさ。その辺の見た目の「活き」は重要。


 あと「鳴き声」。よく砲弾ぶっ放したときの鳴き声が「ちゅどーん!」て聞こえる戦車いんじゃん。あれなんか俺に言わせりゃ論外だね。だいたいなんだよ「ちゅ」て。「ちゅ」?ローマ字にしたら「CHU」だよ?なに「CHU☆ど〜ん」て。そりゃおまえそんな鳴き方する戦車じゃダメだよ。あれはね、実は、「どぉほ!」。もしくは「ぐぉん!」。これが正しい鳴き声。やっぱ鳴き声ひとつとってもいい戦車と悪い戦車の違いはすぐにわかるわけ。


 んで最後。いちばん大事なのはやっぱ「味」。装甲ひんむいたときに、中の肉が濁った色してるようじゃダメだね。とくに砲身の先。あそこ重要。あの先っちょから金棒つっこんで中身をずるっと出すじゃない?そんときに肉がきれいなピンク色してないとだめ。あとは、砲台外して中の味噌の色も確認するのもポイントかな。鮮やかなオレンジ色とかだったら食欲もそそるよね。


 そういういい戦車はやっぱりね、あんま荒らしたりしないよね。不思議と。なんつーか、落ち着いてるよねやっぱ。だからおまえらもさ、もうちょっと戦車のこと考えてあげてさ、そんで人間と戦車の共存共栄、っつーの?やっていくべきだよね。いい戦車、増やしてあげたいよね。と、まあ戦車についていろいろ言ってきたんだけどさ。それよりおまえたちにわかって欲しいのは、堺正章のことを「堺さん」じゃなくて「堺しぇんしぇえ」と呼ぶのは、世界広しといえど俺と研ナオコだけだってことなんだよね。