結局のところ「ビリジアン」っていったいなんだったのかね。あれは「緑」乃至は「グリーン」じゃだめだったのかね。「ビリジアン」と「グリーン」の違いはなんだね。そこんトコをおじさんにもわかるように説明しなさい。それも幼児語で説明しなさい。おじさん最近そういうプレイにハマっておるんだから。それから、「エメラルドグリーン」と「エメラルドブルー」の違いを、「エメラルド自体がいったい何色なのか」をふまえたうえで説明しなさい。それも幼児語で。プレイだから。あとついでに「マンダリンオレンジ」と「カシスオレンジ」の違いも説明しなさい。当然幼児語で。プレイだから。プレイそのものだから。おじさんにとっては。






 俺の職場はビルの46階にあるのでたいへん眺望がよろしい。激務の合間に手を休め、外の風景をぼんやりと眺めるのも楽しみのひとつだ。ただ最近、俺が外を眺めるたび、上からひとが落ちてくるようになった。それは数年ほど前から始まり、当初は月に1〜2回だったのが、今では日に数度ということもしばしばある。俺は風景を眺めるのは好きだがひとが身を投げて落ちていくサマを見るのはそれほど好きではない。不況のせいもあり仕方のないことだとは思うが、なにより後味の悪さを抱えたままでは仕事に差し障りがあるやもしれぬ。なんとかならないだろうか。そう思い、先日警備員にクレームを申し立てたところ、その警備員なにを思ったのか、ビルの前の道に、多重円を大きくペンキで描きやがった。すると、翌日からなぜか、落ちていくひとの数が激増し、ついには来週の「東京ウォーカー」に「自殺の名所」として紹介されるということである。






立ちんぼ 垢いな 愛くれよ!






 あら奥様ご存じかしら?智恵子さんというひとがその昔、「朝の渋谷スクランブル交差点は霧で煙っている」などとおっしゃいましたよね。でもあれ煙ってるのって実は霧じゃなくて、ホントは湯気なんですってよ奥様。朝道玄坂を下りてくるカップルの股間から立ち上る湯気なんですって。んまー、なんて破廉恥な。タクのタカシちゃんにも教えなくちゃですわ。