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浮気の線引き
なにをもって「浮気」と判断するかは、それぞれの女性によって違う。私の妻は「手をつないだら浮気」とよく言っているが、恋人は「二人っきりで食事したら」と言う。愛人のひとりは「セックスしたって別にいいんじゃない?」などと寛大とも言える見解を持っているが、私が行きつけの風俗嬢は「キスは御法度」となかなか手厳しい。読者の中には「会話しただけでも」と考える方もいらっしゃるのではなかろうか。
さて、かくいう私の思う浮気の線引きだが、以下に異性とのつきあいを順に追って示し、そこから導いてみる。
見る
↓
会話する
↓
食事をする
↓
ツイスターゲーム
↓
お酒を飲む
↓
キス
↓
ツイスターゲーム
↓
ペッティング
↓
ツイスターゲーム
↓
ツイスターゲーム
↓
セックス
私が思うに、2回目のツイスターゲームからはもう浮気だと思うのだが、読者の皆様におかれてはいかが思われるだろうか。
愛し愛されて生きたかっただけなのさ
とおり雨がコンクリートを染めてゆき、僕らの吊しのスーツの中へも浸みこむようさ。夕方に簡単に雨が上がったその後で、アポでも取ろうなんて電話をかけて、駅までの道を行く。取引先へと急ぐ。
いつまでも可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて生きたかっただけなのに。それだけがただ僕らを悩める時にも未来の世界へ連れてってくれたはずなのに。
分別もついた20代をすぎ貫禄もついて齢をとり、取引先から取引先へといつも接待の二日酔いも醒めぬまま僕らは電車移動で駆けてく。
ネオンが輝く夜空が待ってる夕べに、突然ほんのちょっと部下のOLに会いたくなる。いろんな言い訳を用意して、妻子の住む家へと急ぐ 。
家族や同僚たちと並木道を歩くように、お肌の曲がり角を曲がるように、自分の老後はどうなるのだろうかと何度も口に出してみたり。熱心に考え、深夜に仕事のことを思って、リストラされないように祈るような、そんな気にもなるのかなんて考えたりするけど。
10年前の僕らは胸をいためて"my graduation"なんて聴いてた。HITOE'S 57 MOVEの存在理由はまだいまでも僕らをやるせなく悩ませるのさ。
おとうさんえ
おとうさん。結婚してことしで30年になりましたね。おとうさんに手紙をかくなんて、はぢめてのことなのでちょつときんちょうします。孝江もしんよう金庫にしゆうしょくがきまったし、幸夫も大学にごうかくして、これからはおとうさんとふたり、なかよく暮らしていきたいですね。おとうさんもあと3年でいまの会社を退職することですし、これからはりよこうにもたくさん行きましようね。いろいろ言いたいこともあるのですけど、なんだかてれてしまつてうまく書けません。手紙といつしょにチヨコレイトも用意しました。おそくまでお仕事ごくろうさまです。甘いものでもたべて、今夜はのんびりしてください。
追伸:おとうさんのエディー・マーフィーのものまね、家族のみんなにはとっても不評です。そっこくやめてください。