夏がひどく暑いので、浴衣でどこかに出かけたくなる。ふと気がつくと、帯締め忘れて外を小一時間うろうろ。裸の大将だって帯くらい締めてたぜ。心のカウボーイが優しく諭す。きっとやつも汗血馬にまたがって真っ赤になってんだ。


 夏がひどく暑いので、こころゆくまでレゲエダンス。すまん。最近の異常気象はこのせいだ。きっと腰の振りすぎで地軸がずれたんだ。


 夏がひどく暑いので、短パンで街をぶらつきたい。脚タレにスカウトされたらどうしよう。きっと街の視線を集めちゃうんだ。ついでにすね毛の間に虫を集めちゃうんだ。


 夏がひどく暑いので、しゃべりかたがラルクのちっちゃいひとの歌い方みたいになる。きっと声帯がヤラレてるんだ。でもホントは物まねしたいだけなんだ。


 夏がひどく暑いので、着ぐるみのままプールに飛び込みたい。もしガチャピンなら、みんな「・・・あ、チャレンジ中なんだ」ってきっと納得してくれるだろ。もしムックなら、水からあがってきたとき「意外とやせてんだ」って思われんだろ。ウルトラマンなら水からあがるまえにきっと溺死してんだろ。そうやって夏はコドモに現実を教えてオトナにしていくんだ。きっと中曽根康弘だってそうだったんだ。




 きっとすべては夏がひどく暑いせい。「夏」という名のゴールド山アラシ的一味のほのめかしによる果てなき電波攻撃のあれこれ。