このさいですので告白しますが、ワタクシ今、いくつかのたいへん重い病にかかっております。まずは、「RPGを最後までクリアできない」病です。あまたの英雄が世界を救うために冒険し、やっとのことで最後のセーブポイントまではたどり着いたものの、ワタクシ自身のやる気がなぜかそこですっかり消え失せてしまうのです。おかげで彼らはそこから先に進むこともなく、ラスボスの姿も見ないまま寂しく余生を送っております。彼らがふたたび冒険を始めることはないでしょう。ただ、この病については、定期的に「あんた、もうゲーム買うのやめときや!どうせ最後までやれへんのやし!」と嫁にイヤミたらしく言われることにより、現在のところ快方に向かっております。病が治るばかりか、ありがたいことに経済的余裕も生まれました。
 次に、「あれ?いま携帯のヴァイブが鳴ったかもしれない」病です。でも、絶対に鳴ってません。液晶画面を見て気のせいだと気づき、小さくため息をつきます。ついた10分後にはまた「あれ?いま携帯のヴァイブが鳴ったかもしれない」と思います。でもやっぱり鳴ってません。つまり、これはもう神経性の病であるといえるでしょう。現実をしっかと見据え、「誰も俺の携帯になんて連絡などしてきやしないんだ」ときっぱりあきらめることも必要ですね人生においては。これについては、完治はまだまだ先のことになるでしょう。
 最後に、これは本当の意味で「病」と呼ぶべきものなのですが、ワタクシ実は臀部に「せつ」、つまりひらたくいえば、ツーケーにキーデーオーができやすい体質なのです。できるもなにも、ひとつが終わりを迎えるとすぐ別の「アギーレ/神の怒り」が膿まれ、「アギーレ/神の怒り」が終わるやいなや別の「地獄の黙示録/ディレクターズ・カット」が「ワルキューレの騎行」の調べに乗って始まりを告げる、という次第なのです。ただ、そのワタクシと「ディア・ハンター」どもとの戦いはなぜかたいてい1on1であり、常にワタクシの楽勝ないしは圧勝に終わるのですが、戦い自体は終わることなくこれからも続いていくと思われます。
 以上、ワタクシが抱える数々の重い病について、勇気を出してカミングアウトしてみました。あ、あの、でも、みなさんこれ知ったからってワタクシのこと助けようなんて思わなくてもいいですからね。駅前に立って募金活動したり、海外での治療の道をみんなで模索してみたり、そんなこともしなくていいですからね。ワタクシはワタクシ独りで、完治に向けてがむばりますから。