4年前


 西日暮里の寂れたバー。客は自分独り。カウンター越しにオカマのケンちゃん。


「ねえ、ママ。俺の将来占ってくれよ」
「いいわよ。ちょっと待って。・・・あんた、将来たぶん文章を書くことになるわよ」
「(笑)今まで小学校の時の読書感想文すらまともに書けなかった俺だぜ?ママのタロットではそう出ているのかい?」
「・・・待って!また別の暗示が出たわ・・・!・・・これ・・・あんたのペンネーム?・・・な、なにか熱い・・・!」
「(笑)なんだよ、『熱い』ペンネームって?」




 そして今ここにいる。