タカシ。タカシちょっと来なさい。来てこっちに座りなさい。「うるせえ」とはなんだパパに向かって。座りなさい。いいから早く座りなさい。
 さて、タカシ。おまえを呼んだのはほかでもない。ママの話によると、おまえは最近塾をさぼってゲームセンターで遊び歩いているそうじゃないか。受験生のくせにいったいなにをやっとるんだタカシ。・・・なに?「遊んでいるけど歩いてない。座ってる」?・・・揚げ足を取るんじゃないっ!
 いいか、タカシ。おまえは来年高校受験するんだぞ。そんな大事な時期にまったくなにを考えてるんだ。しかもおまえはまだ中学生だぞ?中学生が夜遅い時間にそんなトコに出入りしていいと思っとるのかっ!タカシっ!なにかあるなら言ってみろ!・・・なになに?「逆ギレだ」?ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ「逆ギレ」だぁ?タカシ!今日という今日はパパもう許さないぞ!
 まったく最近のヤングはすぐそうやって「逆ギレ」という言葉を使うがな、タカシ。「逆」という言葉の意味をいっぺんよーく考えてみなさい。たとえばだな


「ちょっとやめてください!さっきからひとのお尻触るなんて、あなた痴漢ね!」
「うっせえブサイク!だれがおまえみたいなオンナ触るかよ!いっぺん鏡見ろ!」


 これが「逆ギレ」というものだ。わかるかタカシ?・・・なになに?「女声がキモチワルイ」?「体くねらすのはやめろ」?タタタタタタタカシ!バカもん!パパだってリアリティを出そうと必死なんだ!そーゆートコじゃなくて、もっと本質を見なさい!
 いいかタカシ。これはだなあ、つまり女性が痴漢にたいしてキレているわけだ。わかるな?そうするとそのキレた女性に女性に対して、今度は男性の方がキレたわけだ。わかるか?これが「逆」。キレたことに対してキレる。これがつまり「逆ギレ」。おまえらヤングはすぐに「逆ギレ」「逆ギレ」と言うがな、今タカシはキレたか?キレてないだろうが。だからパパが怒ったのはけして「逆ギレ」なんかじゃないぞタカシ。わかったな。おまえも言葉くらいちゃんと使いなさい。
 ・・・とにかく塾にはちゃんと行くことだな。たまにはゲームセンターでの息抜きもいいが、勉強だけはちゃんとやっときなさい。ママも心配するしな。わかったかタカシ。うん。わかったならもう行っていいぞ。行きなさい。・・・タカシ、行きなさい。どうしたタカシ。行っていいと言っとるのに。・・・タカシ?・・・なになに?「キレてないけど足のしびれがキレて立てません」?


 おあとがよろしいようで。


 親子のやりとりの様子を障子の陰からこっそり聞いていた妻・明子は、「生まれ変わったら、売れない落語家なんかとは絶対に結婚しない」と固く心に誓った。昭和62年の初夏、息子が父親に弟子入りするのはまだまだ先の話である。








 PTA集会でよく使われる言葉に「ヤマダ先生離婚したらしいわよ」「タクのコウちゃんは塾が忙しいざます」「給食費盗んだのはタカハシさんとこの子じゃないかしら?」などがあるが、ここでは「難しい年頃」について考えてみたい。
 いきなり問おう。じゃ、なに?おめ「難しくない年頃」なんてあんの?あんの?言ってみろよオラ。言えよ。つかジャンプしろ。跳べコラ。おめポケットちゃりんちゃりんゆわしてんじゃねえか。
 思うに「難しくない年頃」というのは


 と、考えがびたいちまとまらないうちに書き出すという行為がいかに危険なことか、それを身をもって知らしめたわけだが、ここで無理くりに「100歳以上でござる!どーーーーーん!」と断定してみたい。なぜなら、なぜなら、え〜〜〜〜と、なぜなら(言ってしまった手前、無理くり結論につなげようとしている)、え〜〜〜〜と、「100歳にもなったらほとんどのシトが死んでる」から(無理くりすぎた!)!なんてったって、骨壷ってやつぁなんのケアも必要としないからネ(自分でも言ってることがよくわかってない!)!あばばばばばばばー(ゲマインシャフト!)!プップクプー(ゲゼルシャフト!)!バタービーーーーン(打たれ強い)!


 ・・・えーと、「ござる」とかチョーシぶっこいたこと言って、ホンマすんませんでした・・・。