映画「南極物語」のあらすじ


 時は1994年、W-NAOというユニットで活躍していた飯島直子植村直己は、「いい旅ぶらり夢気分〜南極旅行編〜」という日曜午後のゆるいタイアップ番組のオファーを受ける。企画には気乗りしなかったが、ギャラの良さとキビャック初体験につられて南極大陸に降り立つW-NAO。上陸後すぐに現地の土産物店の取材をいくつかこなし、キビャックで空腹を満たしたのち、8人立ての飯島直子ぞりを仕立てて南極点到達を目指すことに。途中幾多の困難に見舞われつつも一行は順調に進むが、直前の猛吹雪により南極点到達は断念せざるを得なくなった。やっとのことで空港まで戻った一行を待っていたのは、TVクルーの分を除くと空席ひとつの飛行機。


「かならず迎えに戻ってくるからな」


 そう言って迷わず席に収まる植村直己。悲しそうな目で飛行機を見送る飯島直子(8人)。その回りにむらがって小銭をねだるイヌイット族。


 そして1年が過ぎた。植村直己は帰国後森山直太朗と新・W-NAOを結成し、主に地方巡業に精を出す日々を送っていた。地回りのヤクザの接待で稼いだ小遣いを貯めて渡航費用もできた植村は再度南極へと旅立つ。


「じゃあな」


 そう言って決意も新たに席に収まる植村直己。悲しそうな目で飛行機を見送る森山直太朗。なぜか傍らにかまやつひろし。母親はその夜コンサートがあり、どうしても来れなかったため代わりに来たのだ。


 南極に到着した植村はあちこちで飯島直子の消息を訪ねて回った。「アルミ鍋の黒ずみを落とすには紅生姜の絞り汁がいいらしいぞ」「水をかけて揚げなおすと、天ぷらがさくさくに仕上がるのよ!」「長靴の上に靴下を履けば、氷道でも滑りにくいんだって!」。無駄な裏技ばかりが増えていった。だが最後の裏技のおかげで雪道にも慣れ、噂を頼りに植村は氷原を奥に奥にと進んでいく。


 しばらく歩いた植村の耳に、どこかで聴いたことのあるメロディーが飛び込んできた。


♪I know 細い足首つかむその手は 気まぐれにもて遊ぶ〜


 ・・・こ、これはW-NAOの「Rescue me」だ!思わず走り出し、大声で叫ぶ植村。「飯島〜!飯島〜!」 歌の聞こえてきた方向に目を凝らすと、かすかに動く影。あ、あれは・・・飯島だ!それも2人!「い、生きていたのか、飯島!」 植村はそう叫ぶと2人の飯島直子の方へ走り出した。向かってくる植村に気付いた2人の飯島も植村の名を叫びながら嬉しそうに駆けだす。「飯島〜!」「植村〜!」(一人目)「飯島〜!」「植村〜!」(2人目) 互いの距離が近づき、伸ばした手と手がつながろうとしたその瞬間・・・


 人知れず地中で死闘を繰り広げていたマザー・エイリアンが地表にどーん!植村ぐしゃ。ついでにプレデターもどーん!飯島ぐしゃ、ぐしゃ。