@NHKホール


「トイレがな、ごっつええ匂いすんねん」
「へー。どんな?」
「たとえてゆうなら、『ブドウとブドウのぶつかり稽古』」
「・・・は?」
「それくらいブドウやっちゅうことやがな」
「・・・うん」
「・・・あ、ちゃうわ!『ブドウとブドウのコラボレーション』!」
「・・・まあ、ブドウの匂いするんゆうのはかろうじてわかるわ」
「あ、じゃなくてじゃなくて、『ブドウとブドウのぶつかり稽古』」
「それさっきゆうたやん」
「ちゃうがな。さっきのは朝稽古で今のは夜稽古やがな」
「・・・は?」
「いちにち2回稽古せんとな!」
「・・・うん」
「・・・あ、ちゃうちゃう!『ブドウのぶつかり稽古』!」
「ブドウ一個へってるやん」
「おまえはほんまにアホやなあ。ブドウのひとりは内弟子で、もうひとりは通いやがな」
「・・・うん」
「夜の稽古おわったから通いのほう帰ってもうたってわけやな」
「・・・うん」
内弟子のほうはがんばり屋やから、ひとりになっても稽古しとるわけや」
「・・・うん」
「もうあれですわ。なんやゆうたらテッポウですわ」
「・・・うん」
「朝昼晩テッポウ。三時のおやつにテッポウ」
「・・・うん」
「でも三が日以外な」
「・・・うん」
「まあそうゆうこっちゃ」
「・・・」