浮遊の霊

  • ある日


「わーん、おじいちゃーん!今学校からの帰り道、気がついたらシャツの裾がジーンズの中に入っていたんだ!ボク入れたつもりなんてないのに!怖いよー!うわーん!」


なんじゃとタカシ!?も、もしやおまえが着てたのは白の長袖Tシャツか!?


「そうだよ!ボクのお気に入りのやつだよ!・・・あっ、おじいちゃん!気付かなかったけど、ボクの髪型がいつのまにか刈り上げおかっぱになっているよ!」


むむむ・・・。・・・タカシ、これはもう間違いない。妖怪のせいじゃ。


「よ、妖怪・・・?」


そうじゃ。妖怪「ナガイマリコ」の仕業じゃ!


「ナ、ナガイマリコ・・・?おじいちゃん、ボクどうしたらいいの!」


まず、鏡に向かって「ミラクルガール」「ミラクルガール」「ミラクルガール」と3回唱えたあと、白ロンTからボーダーに着替えなさい。そしてぐっすり眠るのじゃ。わかったな!?


「う、うん。わかったよ、じいちゃん!」



  • またある日


「わーん、おじいちゃーん!今学校からの帰り道、周りに誰もいないのに突然耳のそばで『男なんて・・・』って声が聞こえたよ!怖いよー!うわーん!」


なんじゃとタカシ!まさかそのあと「あいやいやい・・」と聞こえてはこなかったろうな!?


「えっ、おじいちゃんなんで知ってるの・・・!?たしかにエンドレスであいやいやいやい言ってたよ!


むむむ・・・。・・・タカシ、これはもう間違いない。妖怪のせいじゃ。


「よ、妖怪・・・?」


そうじゃ。妖怪「クボウルリコ」の仕業じゃ!わしなんか「男なんて・・」の時点でとうにわかっておったわい!


「そうか、ボク、ネタのフり方ちょっと失敗しちゃったみたいだね!それにしても、ク、クボウルリコ・・・?おじいちゃん、ボクどうしたらいいの!」


妖怪「クボウルリコ」は「だいたいいつも男なんて自分勝手で頭にくる」が口癖の癖に、なにかあるとすぐ「愛が足りない」などとぬかす自分勝手な妖怪じゃ!きゃつを退治するには、どこかのウチに婿養子に入り、人智を超えるほどの忍耐力を得ねばならないのじゃ!まさにマスオさんのように!わかったか!15年待て!わかったな?


「う、うん。わかったよ、じいちゃん!ちょっと無理くりすぎる答えだけど、なんとか3姉妹の長女を狙ってみるよ!」



  • そして、またある日


「わーん、おじいちゃーん!今学校からの帰り道、周りに誰もいないのに突然耳のそばで『あなたは失格!』って声が聞


それ妖怪「タチバナイズミ」